兵庫県西宮市の今村岳司市長（４４）が中高生の前で「授業を抜けだして喫煙していた」と武勇伝を話したことを議会で女性市議に批判され、「ピンクのダサいスーツに黒縁眼鏡で『お下品ザマス！』って言っている女教師みたいなことを言うなあ」とブログに書き込んでいたことが１４日、分かった。
市議会では「議員をやゆし、愚弄（ぐろう）している」として謝罪を求める決議案を出す騒ぎになっている。

今村市長は先月１７日、市主催の中高生向けのイベント「中高生３万人夢プロジェクト」で１８人の中高生の前で中高時代の武勇伝を明かした。

「最初は部室でたばこを吸っていたが、部員に迷惑をかけるといけないので、普段使われていない部屋の鍵を盗んで合鍵を作った。面白くない授業は抜けだして、そこでたばこを吸い、マージャンしていた。見回りの警備員にはエロ本と酒を渡して味方につけた」

中高生に「居場所は自分で手に入れよう」と訴える趣旨だったが、話は脱線。盗みと喫煙の告白となった。このイベントを見学していたのが、高校２年の長男を筆頭に４人の子を持つ一色風子（ふうこ）市議（３９）だった。

一色氏は「良い雰囲気でいい会議と思っていましたが、市長の話の内容は耳を疑うものだった」と今月８日の本会議で発言。声を詰まらせ、ハンカチで涙を拭いながら「公の場で言うようなことではない。市長だということを自覚していただきたい」と指摘した。

本会議で市長の答弁はなかったが、その日のブログで市長はこう記した。

「ピンクのダサいスーツに黒縁眼鏡で『お下品ザマス！』って言っている女教師みたいなことを言うなぁ。中高生はオハナバタケなキレイゴトを吐くオトナにうんざりしています。この議員さんみたいなことをいう人がいるから、それを恐れて学校の先生たちも中高生にキレイゴトしか言えなくなったんだと思います。あえて私が中高生たちにこういうメッセージを発信したのは、嘘つきばかりのオトナにうんざりしている彼らに『だいじょうぶだ。嘘つきじゃないオトナもいるから』と伝えたかった」

もともと市長と市議会の関係が良くないところにこの書き込み。最大会派の「政新会」は「議員をやゆし、愚弄している」として削除と謝罪を求める決議案をまとめ、１９日の本会議に提出する方針を固めた。市長に「泣くほどのことかいな」とも書かれた一色氏は「謝罪より態度を改めていただきたい」と話し、涙の訳を「市長がにやにやしながら私の話を聞いているのが悔しかったから」と明かした。一色氏の当日の服装は白のブラウスに黒のスーツ。眼鏡はかけていなかった。

＜市長ＶＳ市議の経緯＞

先月１７日　市長が中高生向けイベントでワルかった話「授業抜けだし喫煙マージャン」

８日　一色風子氏が市議会で質問。「発言」問題視、涙流し講義「公の場で言うようなことではない」

同日　市長がブログで反論「ピンクのダサいスーツに黒縁眼鏡で『お下品ザマス！』って言っている女教師みたいなことを言うなあ。あえてこういうメッセージを発信したのは、嘘つきばかりのオトナにうんざりしている彼らに『だいじょうぶだ。嘘つきじゃないオトナもいるから』と伝えたかった」

議会は謝罪を求め１９日提出へ

http://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/1752020.html
[2016年12月15日9時34分　紙面から]